| ID番号 | : | 00010 |
| 事件名 | : | 解雇確認等請求控訴事件 |
| いわゆる事件名 | : | 大日本紡績事件 |
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 共産党員であることを理由とした解雇には無効との主張につき、具体的な職場規律紊乱行為等を理由とする解雇は労働基準法三条に違反しないとして、被解雇者による控訴を棄却した事例。 |
| 参照法条 | : | 労働基準法3条 |
| 体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
| 裁判年月日 | : | 1954年2月20日 |
| 裁判所名 | : | 大阪高 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 昭和27年 (ネ) 15 |
| 裁判結果 | : | 棄却 |
| 出典 | : | 労働民例集5巻2号145頁 |
| 審級関係 | : | |
| 評釈論文 | : | |
| 判決理由 | : | 元来労基法第三条は、使用者が労働者の信条即ち宗教的思想的或は政治的信念を理由とし解雇を含む労働条件について差別的取扱をするのを禁止し、且つは憲法第一四条が法の下に国民の平等を保障する趣旨より見れば、現在日共党が合法政党としてその存続を公認せられている以上、単に同党員又はその同調者であることの一事のみを以て直にこれを解雇するのは正当でない。しかし右の各法条は、その信条に基く行為によって、労働者が不当にその職場規律を紊乱し、労働能率を低下し又は作業を阻害して、他人の権利を侵害すること迄も許容するものでなく、かかる場合に使用者がこの労働者に対し相当の限度において解雇その他所定の制裁を加え不利益な取扱をなし得ることは、社会の共同生活を確保し個人の利益を保護する上に当然の事理であつて、右は所謂基本的人権乃至個人の尊厳に何等反するものでない。 |