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ID番号 00477
事件名 労働契約存在確認請求事件
いわゆる事件名 東京都水道局事件
争点
事案概要  東京都の水道局の職員が三六協定が存しないことを理由に深夜の作業を拒否したところ地方公営企業労働関係法一一条一項の「業務の正常な運営を阻害する」行為をなしたとして同法一二条一項により解雇されたので、労働契約の存在確認等を求めた事例。(一部認容)
参照法条 労働基準法2章,36条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / 公企(本職員)・地方公営企業の職員
労働時間(民事) / 時間外・休日労働 / 時間外・休日労働の要件
労働時間(民事) / 三六協定 / 協定の様式
裁判年月日 1965年12月27日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和39年 (行ウ) 102 
裁判結果 一部認容(控訴)
出典 労働民例集16巻6号1212頁/時報434号9頁/タイムズ187号132頁
審級関係 控訴審/01202/東京高/昭43. 4.26/昭和40年(行コ)55号
評釈論文 外尾健一・新版労働判例百選〔別冊ジュリスト13号〕90頁/佐藤進・月刊労働問題97号86頁/平野毅・季刊労働法61号96頁/籾井常喜・判例評論91号29頁
判決理由  〔労基法の基本原則―労働者―公企(本職員)・地方公営企業の職員〕
 (三)地方公営企業の職員の勤務関係が公私いずれの法的性格を有するかについては、その従事する公務の性質、内容やその労働関係についての実定法の規制のしかた等を配慮して合目的的に判断すべきものと考えるところ、右(一)、(二)に述べたところからすれば、地方公営企業の職員の労働関係は私法的規律に服する契約関係とみるのが相当であり、したがって、原告ら(原告らが企業法三六条にいう地公労法の適用を除外される職員に該当しないことは、弁論の全趣旨から双方明らかに争わないものと認められる。)に対する本件解雇が行政処分であるとする被告の主張は、採用の限りでない。
 〔労働時間―時間外・休日労働―時間外・休日労働の要件〕
 以上に述べたところによれば、三六協定を欠く本件時間外作業の実施は労基法上許されないものであって、A支所長の支所職員に対する右作業命令は、労働条件の法定基準を下回る勤務を強制する点において違法であり、職員は右命令に服従する義務を負わないものというべきである。
 〔労働時間―三六協定―協定の様式〕
 労基法三六条が三六協定を各事業場毎に締結すべきものと定めたのは、時間外労働については、各事業場に特殊な具体的事情を考慮する必要があり、また当該事業場の労働者又はその結成する労働組合の意思が重視されなければならないとの趣旨に出たものであって、前掲労働協約の内容も、右法の趣旨を前提としたものにほかならない。従って、仮に被告が主張するようにB労働組合(本部)が局側に対し本件給水作業の実施に全面的協力の意向を表明したとしても、三六協定の締結に関し各支部組合員の意思を拘束し得るものでなく、三六協定が締結されたと同視し得べき事情にも該当しない。