全 情 報

ID番号 00507
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 大林組事件
争点
事案概要  労働基準法二〇条違反の解雇との主張につき、相対的有効説により無効とはならないとしたが、就業規則上の解雇協議条項違反にあたるとして効力停止の仮処分申請が認容された事例。
参照法条 労働基準法20条
体系項目 解雇(民事) / 労基法20条違反の解雇の効力
裁判年月日 1950年4月11日
裁判所名 東京地
裁判形式 決定
事件番号 昭和24年 (ヨ) 3469 
裁判結果
出典 労働民例集1巻1号54頁
審級関係
評釈論文
判決理由  労働基準法第二十条は、期間の定めのない労働契約について、使用者の責に帰すべき事由により労働者を解雇する場合、労働者が賃金により、その生活を維持しながら、新たに職を求めることのできるように、(これは予期しない解雇によって労働者のこうむる不利益をさけるためである。)三十日前に解雇の予告をなすこと、又は、これに代えて、職を求めるための相当期間中の生活を保証するにたる手当を支払うことを要求するものであるから、たとい、即時の解雇としては無効であっても、後に、これらの要求がみたされた場合には、その時から、その解雇は有効となると解してさしつかえない。従って
(1)、使用者の意思が、必ずしも即時解雇を固執する趣旨でないと認められる場合には、解雇の意思表示があった日から三十日を経過したとき。
(2)、後に解雇予告手当を現実に提供したとき。(労働者がその受額を拒絶し又は予め拒絶している場合には文言上の提供をなしたとき。)
(3)、解雇が「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった」こと、又は、「労働者の責に帰すべき事由」に基くものであることに付き、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けたとき。
 は有効となるのである。