| ID番号 | : | 00703 |
| 事件名 | : | 解雇無効確認事件 |
| いわゆる事件名 | : | 大平製紙事件 |
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 会社嘱託が職務上発明したことを自己単独名義で特許出願したことを理由として解雇されたのに対し雇用関係存続確認の訴えをした事例。(請求棄却)。 |
| 参照法条 | : | 労働基準法2章 |
| 体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 単独名義の特許出願 |
| 裁判年月日 | : | 1959年7月14日 |
| 裁判所名 | : | 東京地 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 昭和32年 (ワ) 9357 |
| 裁判結果 | : | 棄却 |
| 出典 | : | 労働民例集10巻4号645頁/時報192号29頁/タイムズ92号89頁 |
| 審級関係 | : | |
| 評釈論文 | : | 深瀬義郎・ジュリスト208号132頁/法律論叢33巻5号71頁 |
| 判決理由 | : | 以上の経緯から見ると、原被告間の契約上原告が被告の職務上した発明に関し特許を受ける権利が被告に移転する旨の明示の取決めがあったことの立証がないのであるから、原告が自己に右特許を受くべき権利が帰属すると考えたことは必しも理由がないとはいえないが、被告としても原告にその発明にかかる研究を委嘱し、そのために給与を支給し、研究に要する資材、機械設備を提供し補助員等の費用をも負担していることでもあり、また被告会社では従来から従業員の発明者と会社とで特許の共同出願をして来て、原告自身も前認定のとおり当初A常務に対し会社で特許を受けてはどうかといったことから見ても、被告会社が原告との契約内容は少くとも原告の職務上した発明に関し特許を受ける権利の持分の移転を受け被告との共同で特許出願をする約旨をも含んでいると考えたことを必しも不当なものとはいえないから、かように原被告間に原告の被告の職務上した発明の取扱に関する後記のように重要な契約内容について意見が対立した以上、被告として原告との雇用契約を解消しようと欲したことをもって社会的に不相当な措置とはいいがたいところである。 |