| ID番号 | : | 00884 |
| 事件名 | : | 仮処分申請事件 |
| いわゆる事件名 | : | 扶桑金属工業事件 |
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 共産党フラク活動禁止を定めた組合大会決議に違反する等の理由により除名され、ユニオンショップ協定に基づき解雇された労働者が組合に対して組合員たる地位の確認を、使用者に対して従業員たる地位の確認、賃金支払の仮処分を申請した事例。(申請認容) |
| 参照法条 | : | 民法536条2項 |
| 体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / ユニオンショップ協定による解雇と賃金請求権 |
| 裁判年月日 | : | 1949年6月25日 |
| 裁判所名 | : | 大阪地 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 昭和24年 (ヨ) 204 |
| 裁判結果 | : | |
| 出典 | : | 労働民例集4号211頁 |
| 審級関係 | : | |
| 評釈論文 | : | |
| 判決理由 | : | 申請人等のような継続して日々労務に従事し、反対の事情なき限り引きつづきその労務に従事しようとしている者にたいして突如即時解雇の意思表示をすることはそれ自体現実の提供を拒絶したものとみとめるが相当であり、かかる継続的な雇傭関係において債権者が受領を拒絶するときはその時より履行不能になるものと解すべく被申請会社が解雇により、労務を受領することを拒絶をしたのは労働協約及び附帯覚書によるものであることは前記認定の通りであるが、右覚書には除名にあたっては組合は予め会社と協議するものとすと定められているから反証なき限り協議がなされたものと解すべく、有除名決議は必然的に被申請会社を拘束するものではなく瑕疵ある決議にたいしては解雇しない自由を有するものであるが、この機会において被申請会社がこの点を相当調査したような疎明はないから本件解雇の意思表示により申請人等の勤労義務は被申請会社の責に帰すべき事由により、履行不能になったと認められるから申請人等は反対給付を請求する権利を失わない。 |