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ID番号 01037
事件名 賃金請求事件
いわゆる事件名 三菱重工業事件
争点
事案概要  ストライキ期間中の家族手当を控除したことにつき、右手当は生活保障的部分であり控除の対象にならないとして、右手当相当額の支払を求めた事例。
参照法条 労働基準法24条1項
体系項目 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 争議行為・組合活動と賃金請求権
裁判年月日 1981年9月18日
裁判所名 最高二小
裁判形式 判決
事件番号 昭和51年 (オ) 1273 
裁判結果 破棄自判
出典 民集35巻6号1028頁/時報1018号20頁/タイムズ453号56頁/金融商事638号47頁/労経速報1096号3頁/労働判例370号16頁/裁判所時報823号1頁/裁判集民133号417頁
審級関係 控訴審/01020/福岡高/昭51. 9.13/昭和50年(ネ)621号
評釈論文 園部逸夫・法曹時報35巻4号160頁/下井隆史・民商法雑誌86巻5号753頁/橋詰洋三・判例評論279号43頁/慶谷淑夫・労働法令通信34巻27号2頁/砂山克彦・法律のひろば34巻12号38頁/山口浩一郎・労働経済判例速報1118号11頁/小西国友・ジュリスト781号259頁/村下博・日本労働法学会誌59号94頁/仲田信範・労働経済旬報1224号22頁/渡辺章・昭和56年度重要判例解説〔ジュリスト768号〕229頁/片岡昇・労働判例372号7頁/林修三・時の法令1131号121頁/林和彦・労働判例374号6頁/蓼沼謙一・季刊労働法122号134頁
判決理由  被上告人らは、本件家族手当は賃金中生活保障部分に該当し、労働の対価としての交換的部分には該当しないのでストライキ期間中といえども賃金削減の対象とすることができない部分である、と主張する。しかし、ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存否及びその部分と賃金削減の対象とならない部分の区別は、当該労働協約等の定め又は労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのを相当とし、上告会社の長崎造船所においては、昭和四四年一一月以降も本件家族手当の削減が労働慣行として成立していると判断できることは前述したとおりであるから、いわゆる抽象的一般的賃金二分論を前提とする被上告人らの主張は、その前提を欠き、失当である。所論引用の判例(最高裁昭和三七年(オ)第一四五二号同四〇年二月五日第二小法廷判決、民集一九巻一号五二頁)は事案を異にし、本件に適切でない。