全 情 報

ID番号 01109
事件名 退職金請求事件
いわゆる事件名 東京西鉄運輸事件
争点
事案概要  「嘱託社員」に対して就業規則、退職金規程を適用し、退職金を支払うことを求めた事例。(請求棄却)
参照法条 労働基準法89条1項3号の2
体系項目 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算
裁判年月日 1981年1月28日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和54年 (ワ) 6644 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1074号17頁/労働判例364号77頁
審級関係
評釈論文 後藤清・労働判例370号4頁
判決理由  被告会社には従業員の種類として、社員のほかに嘱託社員の区分が存在していたこと、就業規則及び退職金規程は社員のみを対象として規定されていたこと、嘱託社員には、AやBのように、被告会社の社員であった者が停年退職した後、嘱託社員として新たに採用され、退職当時の職務内容を引き続き担当していたものと、他方、食堂の賄い業務に従事していたC、自動車運転手のD及び雑役と集金業務を担当していた原告のように、現業に従事するものとがいたこと、嘱託社員のうち、少くとも前者(A及びB)については、嘱託社員として採用される際、被告会社から労働条件として、基本給・賞与の額が一般社員より二〇~三〇パーセント減額されること及び退職金と時間外手当は支給されない旨の通知を受けていたこと、そして、嘱託社員について、現実に右通告内容どおりの取り扱いがなされていたこと、原告においても、嘱託社員には退職金が支給されないことを知悉して就労していたこと、被告会社は昭和五四年五月一一日付をもって、嘱託社員についての就業規則及び賃金規程を制定し、嘱託社員に対する従前の取り扱いを明定したこと、以上の事実が認められる。
 右認定の事実のもとでは、原告主張の退職金規程は、嘱託社員である原告には適用ないし準用がないものと解するのが相当である。