全 情 報

ID番号 01450
事件名 仮処分控訴事件
いわゆる事件名 富士通信機事件
争点
事案概要  欠勤等を理由とする解雇について、生理休暇取得日を事故欠勤と扱うことの可否が争われた事例。(否定)
参照法条 労働基準法68条
体系項目 女性労働者(民事) / 生理日の休暇(生理休暇)
裁判年月日 1964年3月30日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和37年 (ネ) 1857 
裁判結果
出典 労働民例集15巻2号193頁
審級関係
評釈論文 山口浩一郎・労働経済旬報583号16頁/小西国友・ジュリスト350号141頁
判決理由  (生理休暇について)
 (三)控訴人は仮に控訴人の欠勤日数は三五日(内事故欠勤二七日)としても、控訴人は法律に従い必要な生理休暇をとる権利があり、その日数は月二回乃至三回が常識である。ところが被控訴会社は生理休暇を認めず、生理のため已むなく休暇をとるとこれをすべて事故欠勤として取扱っている。従って年間二七日の事故欠勤があったとしても、これを勤務怠慢として非難することは許されないと主張するのでこの点について判断するに、女子労働者が生理休暇をとる権利を有することは労働基準法第六七条の明定するところであることは控訴人の主張するとおりであるが、生理休暇は当該労働者が生理日の就業が著しく困難な女子であるか、又は生理に有害な業務に従事する女子であることを要し、且つ、その者の請求をまってはじめて使用者に右休暇を与える義務が発生するものであることも右法条の明定するところであるところ、本件の場合控訴人において右の事項に関し、何等の主張または立証するところがないのみならず、控訴人が欠勤した日のうちいずれの日が控訴人の生理日であったかについても何等の立証がないから、控訴人の右主張は失当である。