| ID番号 | : | 01700 |
| 事件名 | : | 仮処分控訴事件 |
| いわゆる事件名 | : | 安永鉱業事件 |
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 組合間の対立に関連して暴行傷害に及んだことを理由として懲戒解雇された者が地位保全の仮処分を申請した事例。申請が認容されたため会社側が控訴。(控訴棄却) |
| 参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
| 体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 暴力・暴行・暴言 |
| 裁判年月日 | : | 1961年7月20日 |
| 裁判所名 | : | 福岡高 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 昭和35年 (ネ) 773 |
| 裁判結果 | : | |
| 出典 | : | 労働民例集12巻4号709頁 |
| 審級関係 | : | |
| 評釈論文 | : | |
| 判決理由 | : | 就業規則に最も重い解雇のほかに軽い懲戒処分をも規定し、情状により懲戒の程度を軽減することができる旨定めた場合には、懲戒が使用者の本来有する経営権の作用として定めた就業規則に由来するものとは云え、一種の制裁(刑罰)であることには変りないのであり、特に懲戒解雇は従業員に非常な不利益を及ぼす制裁処分であるから、前記規定の趣旨は、従業員に懲戒解雇該当の所為があったとしても懲戒解雇にするかそれ以外の軽い懲戒の方法に止めるかについての情状に関する判断は使用者の恣意ないし便宜的な裁量に従うものではなくして企業維持ないし経営権の作用する範囲内における客観的に妥当な基準に従いなされるべきで、以上の基準に照らし該当事由にして酌むべきものがある限りは、軽い処分に付すべき拘束を使用者に負わしめたものと解するを相当とする。したがって情状の判定を著るしく誤まった場合には懲戒解雇処分は無効である。 |