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ID番号 01753
事件名 雇用関係存続確認請求事件
いわゆる事件名 横浜ゴム事件
争点
事案概要  夜半他人の居宅に故なく入り込み住居侵入罪として罰金二、五〇〇円に処されたことを理由に懲戒解雇された従業員が、右解雇は無効であるとして雇用関係の存在確認を求めた事例。(上告棄却、労働者勝訴)
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務外非行
裁判年月日 1970年7月28日
裁判所名 最高三小
裁判形式 判決
事件番号 昭和44年 (オ) 204 
裁判結果 棄却
出典 民集24巻7号1220頁/時報603号95頁/タイムズ252号163頁/裁判集民100号313頁
審級関係 控訴審/東京高/昭43.11.29/昭和42年(ネ)1622号
評釈論文 窪田隼人・民商法雑誌64巻5号942頁/杉田洋一・法曹時報22巻12号176頁/菅野和夫・法学協会雑誌89巻2号222頁/菅野和夫・労働判例百選<第三版>〔別冊ジュリスト45号〕88頁/馬場東作・経営法曹会議編・最高裁労働判例1巻479頁/有泉亨・色川,石川編・最高裁労働判例批評〔2〕民事編472頁/林廸広・判例評論144号30頁
判決理由  上告会社は、被上告人が上告会社の従業員賞罰規則一六条八号にいう「不正不義の行為を犯し、会社の体面を著しく汚した者」に該当することを理由として、同人を懲戒解雇にしたというのである。
 (中 略)
 しかし、飜って、右賞罰規則の規定の趣旨とするところに照らして考えるに、問題となる被上告人の右行為は、会社の組織、業務等に関係のないいわば私生活の範囲内で行なわれたものであること、被上告人の受けた刑罰が罰金二、五〇〇円の程度に止まったこと、上告会社における被上告人の職務上の地位も蒸熱作業担当の工員ということで指導的なものでないことなど原判示の諸事情を勘案すれば、被上告人の右行為が、上告会社の体面を著しく汚したとまで評価するのは、当たらないというのほかはない。