全 情 報

ID番号 01901
事件名 譴責処分、無効確認請求、同附帯事件
いわゆる事件名 関西電力事件
争点
事案概要  就業時間外に会社社宅で組合の機関決定を経ていないビラ配布を行った従業員が、右ビラの内容が事実に基づかず会社を中傷誹謗するものであり就業規則所定の懲戒事由に該当するとして譴責処分に付されたのに対し、右処分の無効確認を求めた事例。(上告棄却、労働者敗訴)
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 会社中傷・名誉毀損
裁判年月日 1983年9月8日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和53年 (オ) 1144 
裁判結果 棄却
出典 時報1094号121頁/タイムズ510号97頁/労経速報1163号3頁/労働判例415号29頁/金融商事705号43頁/裁判集民139号393頁
審級関係 控訴審/01835/大阪高/昭53. 6.29/昭和49年(ネ)326号
評釈論文 横井芳弘・労働判例417号4頁/下井隆史・季刊実務民事法5号240頁/諏訪康雄・昭和58年度重要判例解説〔ジュリスト815号〕212頁/仲田信範・労働経済旬報1294号17頁/土田道夫・ジュリスト861号142頁/本多淳亮・民商法雑誌89巻6号884頁/野村晃・日本労働法学会誌63号110頁/和田肇・ジュリスト803号70頁
判決理由  これを本件についてみるのに、右ビラの内容が大部分事実に基づかず、又は事実を誇張歪曲して被上告会社を非難攻撃し、全体としてこれを中傷誹謗するものであり、右ビラの配布により労働者の会社に対する不信感を醸成して企業秩序を乱し、又はそのおそれがあったものとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、是認することができないではなく、その過程に所論の違法があるものとすることはできない。そして、原審の右認定判断に基づき、上に述べ来ったところに照らせば、上告人による本件ビラの配布は、就業時間外に職場外である被上告会社の従業員社宅において職務遂行に関係なく行われたものではあるが、前記就業規則所定の懲戒事由にあたると解することができ、これを理由として上告人に対して懲戒として譴責を課したことは懲戒権者に認められる裁量権の範囲を超えるものとは認められないというべきであり、これと同旨の原審の判断は正当である。