全 情 報

ID番号 01936
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 信用交換所東京本社事件
争点
事案概要  業務上の指示命令に従わず上司に対する反抗的態度が顕著である等として解雇された原告が、地位確認と賃金支払を求めた事例(棄却)。
参照法条 労働基準法20条
労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の根拠
裁判年月日 1985年9月25日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和57年 (ワ) 6172 
裁判結果 棄却
出典 労働判例460号30頁/労経速報1242号9頁
審級関係
評釈論文
判決理由  原告は、本件懲戒解雇は、被告会社の就業規則四三条四号の手続を欠いているから無効であると主張する。前記(書証略)によれば、就業規則四三条四号は、懲戒解雇は三〇日前に予告するか、もしくは行政官庁の認可を受けたのち、予告期間を設けないで即時解雇する旨定めていることが認められるところ、前記三で認定したところによれば、本件解雇は、予告期間を設けないで解雇予告手当を提供のうえ即時解雇をしたものであるが、行政官庁の認可を得ていないことが明らかであって、形式上就業規則四三条四号の手続を履践していないかのように思われる。しかし、一方、前記(書証略)によれば、右就業規則三九条は、「前条二、三、四、五号の事由に基づいて解雇する場合は三〇日前に解雇するか、または平均賃金の三〇日分を支給して即時解雇する。ただし天災地変、その他やむを得ない事由により事業の継続が不可能となった場合、または本人の責任に帰する事由により解雇する場合は行政官庁の認定を受けて解雇する。この場合、予告手当は支給しない」と規定しており、同規則三八条二号は懲戒解雇について規定していることが認められ、これらの規定の内容をも合わせ考えると、就業規則四三条四号の規定の趣旨は、懲戒解雇の手続について、労働基準法二〇条の定めに従って、行政官庁の認定を受けて即時解雇するか、又は、行政官庁の認定を受けないで解雇予告をして解雇するかの二つの方法を定めたものであるが、後者の場合に解雇予告をする代りに平均賃金三〇日分の予告手当を支給して解雇することを排斥したものと解するのは相当でなく、予告手当を支給したうえ予告期間をおくことなく解雇することを許容した趣旨と解するのが相当である。