| ID番号 | : | 01977 | 
| 事件名 | : | 地位保全仮処分控訴事件 | 
| いわゆる事件名 | : | 三井鉱山事件 | 
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 懲戒解雇の意思表示を普通解雇の意思表示に転換することはできないとした事例。 | 
| 参照法条 | : | 民法1条3項 労働基準法89条1項3号,9号  | 
  
| 体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒解雇の普通解雇への転換・関係 | 
| 裁判年月日 | : | 1972年3月30日 | 
| 裁判所名 | : | 福岡高 | 
| 裁判形式 | : | 判決 | 
| 事件番号 | : | 昭和43年 (ネ) 184 | 
| 裁判結果 | : | 棄却(確定) | 
| 出典 | : | 時報669号99頁/タイムズ279号347頁 | 
| 審級関係 | : | 一審/福岡地/昭43. 2.29/昭和37年(ヨ)162号 | 
| 評釈論文 | : | |
| 判決理由 | : |  次に、控訴人は、本件解雇が懲戒解雇としての効力を生じないとしても、普通解雇として有効である旨主張する。しかし、控訴人の本件解雇の意思表示が懲戒解雇の意思表示としてなされたことはその主張自体から明らかであるが、右が無効とされる場合これを普通解雇の意思表示に転換することは許されないものと解する。けだし、一般に、解雇の意思表示のような単独行為については、いわゆる無効行為の転換を認めると、、相手方の地位を著しく不安定なものにするから、転換は原則として許されないと解すべきであるし(なお、懲戒解雇と普通解雇とでは、その根拠、要件、法律的効果が相互に異なるから、前者としての意思表示に後者の意思表示が当然に含まれているとみることも相当ではない)、実際上の見地から言っても、かかる転換が認められることになれば、安易に懲戒解雇を行なう傾向を招き、ひいては懲戒権の濫用を誘発するおそれが多分に存するからである。 従って、控訴人のこの点の主張は、普通解雇としての有効性に言及するまでもなく、失当として排斥を免れない。  |