全 情 報

ID番号 03108
事件名 出向命令差止仮処分申請事件
いわゆる事件名 JR東海事件
争点
事案概要  JR東海において運転士、車両係等として勤務していた者が関連会社での車両清掃業務、食堂車で使用する物の積み込み作業等へ出向を命じられたケースで、右出向命令の効力停止の仮処分が申請された事例。
参照法条 民法625条1項
労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 出向命令権の限界
裁判年月日 1987年11月30日
裁判所名 大阪地
裁判形式 決定
事件番号 昭和62年 (ヨ) 4133 
裁判結果 認容
出典 時報1269号147頁/労働判例507号22頁
審級関係
評釈論文 河村武信、三上孝孜、豊川義明、梅田章二ほか・労働法律旬報1188号4~15頁1988年3月25日/西井龍生・判例評論356〔判例時報1282〕233~238頁1988年10月1日/納谷肇・昭和63年度主要民事判例解説〔判例タイムズ臨時増刊706〕362~363頁1989年10月/野間賢・季刊労働法147号200~201頁1988年4月/林和彦・昭和62年度重要判例解説〔ジュリスト臨時増刊910〕203~205頁1988年6月
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-出向命令権の限界〕
 使用者が労働者に対し出向を命ずるには、当該労働者の承諾その他これを法律上正当づける特段の根拠が必要である。
(中略)
 出向を命ずる場合には、出向につきそれ相当の業務上の必要性がなければならないことはもとより、出向先の労働条件等が従来のそれに比べて著しく苛酷劣悪とならず、また出向対象者の人選も合理性を有し妥当なものでなければ、その出向命令は人事権の濫用として無効であるというべく、さらに通勤、家庭状況等で出向者の生活に著しい不利益を生じさせるときも人事権濫用の一場面として、出向拒否の正当事由が認められることもあるというべきである。