全 情 報

ID番号 03296
事件名 雇用契約確認等請求事件
いわゆる事件名 本山製作所事件
争点
事案概要  大学工学部卒で仙台市において技術系従業員として勤務している者に対する広島出張所におけるセールスエンジニアとしての配転命令につき、これを有効とし右命令拒否を理由とする懲戒解雇が有効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法89条1号,9号
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠
懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反
裁判年月日 1979年4月23日
裁判所名 仙台地
裁判形式 判決
事件番号 昭和46年 (ワ) 673 
裁判結果 棄却(控訴)
出典 労働民例集30巻2号519頁/労経速報1014号5頁/労働判例319号29頁
審級関係 控訴審/04012/仙台高/昭63. 9.26/昭和54年(ネ)172号
評釈論文
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕
 3 そうすると、右1及び2の(1)(2)で認定した事実だけでは(右1の事実によれば、原告が被告に入社した動機、目的が仙台に住いを定めて技術者として働き続けたいというところにあったことが認められるものの、そのことをもってしても)、原告と被告との間の労務契約の内容が原告の提供する労務を被告の仙台本社工場における技術者としての業務に限定したものと認めることはできず、他に原告主張の事実を認めるに足りる証拠はない。従って、本件転勤命令が労働契約に違反し無効のものであるということはできず、原告の再抗弁1の主張は採用できない。
〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕
 以上の事実によれば、被告が原告の挙げる本件転勤命令拒否の理由をもってしては、業務上の合理的必要からなされた本件転勤命令を覆すだけの正当な理由となりえないと考えたことも、十分に首肯しうるところであって、ゆえに、原告の本件転勤命令の拒否は、被告の企業秩序の維持に重大な支障を及ぼすものと判断せざるを得ない。