全 情 報

ID番号 03312
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 佐伯学園事件
争点
事案概要  電気学科の廃止を理由とする高校教諭の整理解雇につき、数学科への転用が可能であったとして右解雇を無効とした事例。
参照法条 労働基準法2章
民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇の必要性
裁判年月日 1979年10月8日
裁判所名 大分地
裁判形式 判決
事件番号 昭和50年 (ワ) 564 
裁判結果 認容
出典 労働判例333号61頁
審級関係 控訴審/00638/福岡高/昭56.11.26/昭和54年(ネ)588号
評釈論文
判決理由 〔解雇-整理解雇-整理解雇の必要性〕
 三 以上一、二で認定の事実を綜合して判断するに、後記認定のとおり、被告が、原告らを直ちに解雇しなければならない程経済的窮地にあるとは思われない点を考慮すると、被告において、高校教育の本来の目的と指導理念を遵守し、これに基づき、昭和四七年以降において長期に亘る安定かつ責任ある教育を生徒らに授ける意思とこれに必要な人的物的設備に対する合理的配慮とが必要であり、これを前提とすれば、前記Aに昭和五〇年頃までに勇退を求め、その後任として原告X1をそれまでに数学の臨免、出来れば普通免許を得させて数学科に転用させることは充分に可能であり、妥当な措置でもあったと考えられるし、又原告X2についても訴外Bも相当の年令であるから同人が勇退するまでの間暫くは右四時間の電気一般の授業を行わせ、原告X1同様に数学の臨免をとらせてB、Cらと数学を分担して授業させるか(場合によっては原告X2も加わることとなるが)仮に被告の説得にもかかわらずBの早急の勇退が望めない場合には、同X2を工大、或は高校の事務職等に転用して非常勤の形で前記電気一般の授業もさせ、就職係等の仕事もさせつつ、その間数学教諭となるための準備をさせることも可能と思われるし、かような措置は同人の年令、経験年数等から判断して将来の同校の教育内容を充実させる上で、有意義なことと思われる。ことに、D高校の前記生徒の学力程度からすれば、高校の形式的なカリュキュラムもさることながら、先ず、被告は右高校の実態を把握し、現実に即した教育を行い、原告らを右教育の充実化に活用すべきであって、これらからすると、本件整理解雇の必要性を肯定することはできないと解するのが相当である。