全 情 報

ID番号 03322
事件名 解雇予告手当請求事件
いわゆる事件名 ファルコンプリント事件
争点
事案概要  試用労働者に対する解雇予告に関し、労基法二一条但書の「第四号に該当する者が一四日を超えて引き続き使用されるに至った場合」にいう一四日とは、労働日および休日を含む日数であるとして、一五日に懲戒解雇したときは三〇日分の解雇予告手当を支払わなければならないとした事例。
参照法条 労働基準法21条
体系項目 解雇(民事) / 解雇予告と短期契約
裁判年月日 1979年12月10日
裁判所名 東京簡
裁判形式 判決
事件番号 昭和54年 (ハ) 206 
裁判結果 認容(確定)
出典 労働民例集30巻6号1186頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇予告と短期契約〕
 1 仮定抗弁(一)において被告は、原告は試用期間中でありその実働日数は休業日(休日の意と解する)を除けば一二日間であるから、労働基準法第二一条但書にいう一四日間を超えて引き続き使用されたという要件に該らないと主張する。
 成立に争いのない甲第二号証、証人Aの証言及び原告本人尋問の結果(第一、二回)によれば、被告の主張する原告の雇用条件のうち、日給月給(休業日を除き、就業した日数で一ケ月の給料を算出する)は認めがたい(甲第二号証や原告本人の供述によれば認めがたく、これに反する証人Aの証言のみでは採用できない)が、試用期間中である点は新規採用直後であるから推認できよう。
 前記第二項において認定したとおり、原告の雇用期間日数は一五日間であり、その間に休日が二度あり、実働日数は一三日になるが、社会通念上も労働基準法解釈上も、雇用期間日数は、労働日のみならず休日も含む暦によると解するのが相当である。したがって労働基準法第二一条但書にいう一四日を超えて引続き使用されたという要件に該当すると解され、この要件に該らないという被告の抗弁は失当である。
 2 同抗弁(二)において被告は、仮りに休業日も使用された日数に算入されるとしても、原告は一二月一五日は戸上と話をしただけで全く仕事をしていないまま帰宅したのであるから、同日は実質上算入できないことになり、一四日を超えて引続き使用されたことにはならないと主張する。
 前記第二項1において認定したとおり、一二月一五日は原告が就業したものとみなすのが相当というべきであるから、この点に関する被告の抗弁も失当である。