全 情 報

ID番号 03491
事件名 懲戒処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 全逓東北地本事件
争点
事案概要  公労法一七条違反のストの企画・実施、郵便局舎内の入口扉、ガラス窓、階段手すり等に対する約五〇〇〇枚のステッカーの貼布等を理由とする全逓東北地本委員長の懲戒免職処分の効力が争われた事例。
参照法条 公共企業体等労働関係法17条
国家公務員法82条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の限界
裁判年月日 1975年10月30日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和49年 (行コ) 54 
裁判結果 (確定)
出典 労働民例集26巻5号1017頁/訟務月報21巻12号2536頁
審級関係 上告審/01833/最高三小/昭53. 7.18/昭和51年(行ツ)7号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の限界〕
 公務員の懲戒権者が懲戒処分を発動するかどうか、懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶべきかを決定することは、その処分が全く事実上の根拠に基づかないと認められる場合であるか、もしくは社会観念上著しく妥当を欠き懲戒権者に任かせられた裁量権の範囲を超えるものと認められる場合を除き、懲戒権者の裁量に任かされているものと解する(最高裁判所が昭和三二年五月一〇日第二小法廷判決民事判例集一一巻五号六九九頁参照。)のが相当であつて、この理は当該公務員が公共企業体等労働関係法二条二項二号の規定に該当する国家公務員についても同様であり、このような行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる(行政事件訴訟法三〇条)ものとされ、この場合に当該裁量処分が裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた事実については当該処分の取消しを求める者においてこれを主張及び立証する責任を負担すべきものであることは前記法条の趣旨から明らかである。