全 情 報

ID番号 03969
事件名 給与請求事件
いわゆる事件名 浅茅野郵便局事件
争点
事案概要  休職中の職員が、右休職は公務災害としての振動障害による休業であるとして休職期間中の賃金と賃金全額との差額を請求した事例。
参照法条 労働基準法3章
体系項目 休職 / 休職期間中の賃金(休職と賃金)
裁判年月日 1989年1月31日
裁判所名 札幌地
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (ワ) 666 
裁判結果 棄却
出典 労働判例536号58頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔休職-休職期間中の賃金(休職と賃金)〕
 原告は既に五〇才台後半で、ほどなく還暦を迎える年齢に達していたが、原告は、この前後ころ、振動障害の症状に含まれようもない症状を含め実に多様な自覚症状を訴えて多種の専門医を訪ねて受診を重ねており、本件症状は、いわゆる初老期独特の加齢により体調に変化を来しやすい時期に発生したと見ることができる。そして、診療に当たった医療機関は、前記二の3のA診断を除いて(なお、B病院は振動障害疑いとともに)、それぞれ振動障害以外の診断名を付しており、その中には、頚椎後縦靭帯骨化症、円背による項背筋痛等のように、振動障害以外で本件症状を引き起こしうる傷病名も含まれている。
 したがって、本件症状が振動障害以外の疾病によって齎されたと説明してもあながち無理な説明ではないということができる。
 4 B病院の診断は振動障害の疑いとして、振動障害の可能性を示唆するにとどまっているのみならず、同時に本件症状をほぼ説明し尽くす頚椎後縦靭帯骨化症を傷病名に掲げており、この診断により本件症状を振動障害と認定するには足りないというほかない。
 (中略)
 よって、原告の本件請求は、その余の点について判断するまでもなく、失当である。