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ID番号 04034
事件名 労働契約上の権利確認等請求控訴、同附帯控訴事件
いわゆる事件名 福井郵便局事件
争点
事案概要  日々雇用である非常勤の一般職国家公務員につき、二カ月以内の予定雇用期間の満了により当然退職するもので、その雇止めに解雇の法理は適用されないとし、また期待権の侵害を理由とする損害賠償請求を棄却した事例。
参照法条 国家公務員法附則13条
労働基準法2章
民法709条
人事院規則8-12(職員の任免)74条
体系項目 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め)
裁判年月日 1988年10月19日
裁判所名 名古屋高金沢支
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (ネ) 144 
昭和60年 (ネ) 157 
裁判結果 棄却・取消(確定)
出典 労働民例集39巻5号502頁/時報1289号148頁/タイムズ702号155頁/訟務月報35巻4号582頁/労働判例529号43頁
審級関係 一審/00071/福井地/昭59.12.21/昭和54年(ワ)187号
評釈論文 水上敏・平成元年度主要民事判例解説〔判例タイムズ臨時増刊735〕392~393頁1990年10月
判決理由 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕
 1 人事院規則八―一二第七四条一項三号は、任期を定めて採用された場合において、その任期が満了した場合は、その任用が更新されない限り、当然退職する旨規定し、同条二項は、右期限付任用につき、「日日雇い入れられる職員が引き続き勤務していることを任命権者が知りながら、別段の措置をしないときは、従前の任用は、同一の条件をもって更新されたものとする」と定めている。
 2 そして、任用規程五条は、非常勤職員の任期は一日とし、非常勤職員中の臨時雇については、二か月以内において任命権者が定める期間を予定雇用期間とし、当該期間内においては、任命権者が別段の意思表示を行わない限り、その任期は更新されるものとする旨規定しているところ、右規定は、予定雇用期間内においては、任命権者が更新拒絶(雇止め)をしない限り、当然更新されるが、右期間満了の場合は、当該職員は、任命権者の何らの行為を要せずに当然に退職することを予定し、右期間満了後は、再任用をする場合はともかく、当然には更新しないことを事前に宣言しているものと解される。
 3 したがって、任用規程五条の予定雇用期間の定めは、人事院規則八―一二第七四条二項の「別段の措置」に当たるというべきであるから、臨時雇は、任命権者の定めた二か月以内の予定雇用期間の満了により、当然に退職するものと解するのが相当である。