全 情 報

ID番号 04048
事件名 雇用関係存在確認等請求事件
いわゆる事件名 国鉄職員事件
争点
事案概要  国鉄職員の市町村議会議員との兼職につき、国鉄総裁の承認がない限り、当選告知の日に職員たる地位を失うとされた事例。
参照法条 日本国有鉄道法26条2項
労働基準法7条
体系項目 退職 / 失職
裁判年月日 1988年11月28日
裁判所名 浦和地
裁判形式 判決
事件番号 昭和58年 (ワ) 740 
裁判結果 棄却(確定)
出典 時報1315号137頁/タイムズ708号188頁/労働判例530号32頁/判例地方自治55号39頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔退職-失職〕
 国鉄法二六条二項は総裁の承認がない限り職員は議員又は長と兼ねることができない旨定めているのであるから、国鉄職員は原則として公選法にいう「法律の定めるところにより・・・議員又は長と兼ねることができない職に在る者」に当たるということができる。すなわち、公選法一〇三条一項は法律の定めにより「一律機械的に」議員等との兼職が禁止された職に在る者についてのみ適用される旨の原告の主張は根拠がなく、また市町村の議会の議員については国鉄法二六条二項但書により総裁の「承認」を得て兼職できる者があるとしても、「承認」の有無の基準となる日は当選告知の日であると解される(この点については後述する。)から、当選告知の日までに「承認」を得ていない者については、議員と兼職できない者として、議員に当選しても、当選告知の日に「その職を辞したものとみなす」ことに支障はなく、公選法一〇三条一項は、市町村議会の議員に立候補して当選告知を受けた国鉄職員にも原則として適用があり、当選告知の日までに国鉄法二六条二項但書の「承認」を得ていない限り、公選法一〇三条一項の「当選の告知を受けたときは、その告知を受けた日にその職を辞したものとみなす。」という効果の発生を阻止できないと解するのが相当である。