全 情 報

ID番号 04123
事件名 雇用関係存在確認等請求事件
いわゆる事件名 鶴屋商事事件
争点
事案概要  見習社員が上司、先輩社員に対する常識を欠くとみられる態度、接客態度が悪いことなどを理由として解雇された事例。
参照法条 労働基準法89条1項3号
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 上司反抗
裁判年月日 1985年7月17日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和58年 (ワ) 9466 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1240号30頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-上司反抗〕
 原告は、不動産取引の経験が全くなかったので、最初に四日間の研修を受け、同月五日に営業第二課に配属された。しかし、原告は、研修内容やその後の上司の指示、指導にもかかわらず、これを無視して自己流の営業活動を行い、上司がこれを注意すると、改めるどころかかえって反発し、また、言葉遣いや接客態度が悪かったため、再三にわたって顧客を怒らせ、営業成績も上がらなかった。原告は、また、他の営業社員に配分された営業資料を勝手に使用し、先輩や同僚社員に対する言葉遣いや態度も悪く、ミーティングの際には他の社員と口論するなど、社内での融和も欠き、不評を買っていた。更に、これらの点について上司や先輩社員から忠告を受けると、これを聞き入れないばかりか、逆に争いを仕向けたり、忠告した者を無能呼ばわりし、理由もなく非難中傷するなど、原告には性格異常とも思われる言動もあった。
 (中略)
 前記一の認定事実によれば、原告は被告会社の営業社員としての適格性を全く欠いているものと認めざるを得ないから、これに対して被告会社がした解雇は、試用期間中の社員に対する解雇として相当であり、解雇権を濫用したものということはできない。