ID番号 | : | 04209 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | ユニヴァーサルタクシー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | タクシー運転手が在籍のまま同業他社に運転手として勤務していたことを理由とする懲戒解雇につき、解雇権の濫用にあたり無効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 二重就職・競業避止 |
裁判年月日 | : | 1970年11月11日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ヨ) 72 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集21巻6号1500頁/時報620号84頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 石川吉右衛門・ジュリスト507号138頁 |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-二重就職・競業避止〕 債権者Xが債務者会社に在籍のまま同業他社に運転手として勤務していたことは当事者間に争いがない。 成立に争いのない乙第四号証の就業規則第一〇条には、「会社の命令又は許可を受けないで在籍のまま他の会社及び事業に従事したり労務公職についてはいけない」旨、さらに同第二五条一一号には、「就業に関する法令又は規則に違反したもの」を懲戒解雇する旨規定されていることが明らかであり、前認定の船越の行為は一応右条項に該当する。 しかしながら前顕証人Aの証言、債務者代表者本人尋問の結果ならびに弁論の全趣旨を総合すると、組合員は休日あるいは非番の日には他社に臨時運転手として勤務し収入を補うようなことがなかば公然と行われ、会社においても当時これを黙認し、特に注意を促すようなこともなく、また会社自らもこうしたいわゆる臨時運転手を雇入れて使用していたことが認められ、これに反する証拠はない。 右事実を総合勘案すると、従来の会社の取扱いにかんがみ債務者の本件解雇は社会通念にてらして著しく重きに失し、解雇権の濫用であつて無効というべきである。 |