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ID番号 04275
事件名 雇用関係存続確認等請求事件
いわゆる事件名 日本国有鉄道事件
争点
事案概要  公務執行妨害罪により有罪判決を受けた職員に対する免職処分が有効とされた事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
日本国有鉄道法31条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 有罪判決
裁判年月日 1968年1月24日
裁判所名 広島地
裁判形式 判決
事件番号 昭和42年 (ワ) 518 
裁判結果 棄却
出典 労働民例集19巻1号6頁/タイムズ218号202頁
審級関係 上告審/01787/最高一小/昭49. 2.28/昭和45年(オ)1196号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-有罪判決〕
 原告の右所為が、右就業規則第六六条第一七号所定の「著しく不都合な行い」にあたるか否かを考えるのに、懲戒は使用者が企業秩序の維持ないしは企業の発展向上のため、労働者に対して加える不利益処分であるから、右の「著しく不都合な行い」があつたときとは業務の内外を問わず、道徳的ないしは法律的非行の一切を含むものではなく、右非行のうち客観的にみて、企業秩序の維持、企業の発展向上と相容れない性質の非行に限ると解すべきことは原告主張のとおりであるが、右二で認定した原告の公務執行妨害の所為はその目的、動機、信念のいかんにかかわらず、現行法秩序のもとにおいて正当行為とはいいがたく、原告の反規範的態度を徴表するもので、被告企業の職員としての適格性に疑いを持たしめるものであり、かかる職員をそのまま企業に存置すると、被告企業の信用を毀損し、他の職員に悪影響を及ぼし職場規律を乱すおそれがあると認めるのが相当であり、原告の右所為は被告の企業外におけるできごとではあるが、前記説明の企業の秩序維持、発展と相容れない性質のものとして前記懲戒事由にあたるものと解すべきであり、したがつて、被告が原告の右所為をもつて、前記就業規則の「著しく不都合な行い」に該当すると認定したことは相当というべきである。