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ID番号 04538
事件名 雇用契約存続確認等請求事件
いわゆる事件名 駐留軍用船操舵手事件
争点
事案概要  駐留軍用船の操舵手として勤務していた者が上長の命令に敏速に従わず職務の遂行に怠慢であったとして雇入契約を解除されたためその効力を争った事例。
参照法条 船員法40条
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 船員の解雇
裁判年月日 1956年9月24日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和30年 (ワ) 8910 
裁判結果 認容
出典 労働民例集7巻5号957頁/時報92号21頁/新聞25号11頁
審級関係
評釈論文 季刊労働法23号71頁
判決理由 〔解雇-解雇事由-船員の解雇〕
 船員法第四十条が雇入契約解除の理由を制限的に列挙している趣旨は、船員が同条各号の何れかに該当する理由なくして雇入契約を解除されることを防止し、船舶所有者の専断から船員を保護しようとする社会政策的目的に出たものであるから、同条は強行規定と解すべきである。
 ところで同条第六号に「やむを得ない事由のあるとき」とあるのは、契約解除を正当ならしめるような船舶所有者側に存する事由の外に同条の前各号に当らない程度の船員側の非難さるべき行動をも広く含むものと解釈されるのであるが前認定によれば、同条の規定に該当する雇入契約解除の理由たる事実を認めるに由ないのであるから、本件解除の意思表示は同条第二号には勿論のこと同条第六号の規定に違反し、無効であると断定するの外ない。