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ID番号 04867
事件名 賃金並びに損害賠償請求控訴事件/附帯控訴事件
いわゆる事件名 中原郵便局事件
争点
事案概要  計画年休に対する前々日の時季変更権の行使につき、期間の点で合理的とはいえないとした原審を維持した事例。
 争議行為に起因する郵便物の滞貨処理のため、年休指定に対する時季変更権を行使したことが適法とされた事例。
参照法条 労働基準法39条4項(旧3項)
労働基準法39条5項
体系項目 休憩(民事) / 休憩時間(公務員)
年休(民事) / 計画年休
裁判年月日 1990年2月14日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和61年 (行コ) 2 
昭和61年 (行コ) 3 
昭和61年 (行コ) 69 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例560号47頁
審級関係 一審/01397/東京地/昭60.12.23/昭和54年(行ウ)88号
評釈論文
判決理由 〔年休-計画年休〕
 「もっとも、前示の事実によると、A課長は、一審原告X1に対し、右四月二四日及び同月二七日に計画年休取得希望時期の自主的変更を要請しているが、時季変更権の行使と自主的変更の要請とは法的性格が全く異なるのであるから、事前に右要請をしていたからといって、右の結論に影響を及ぼすものではないというべきである。したがって、一審原告X1に対する右時季変更権の行使は、その余の点について判断するまでもなく無効であるといわざるを得ない。」
〔休憩-休憩時間(公務員)〕
 右三日間について第二班及び第三班に物数調査に適し、かつ、配達区に通区能力のある剰員はいなかったこと、また、従前より中原郵便局においては、後に請求された年休を取得させるために、先に年休、週休・非番日として欠務の予定されていた者に対して出勤の可否を打診し、その予定を変更してその者に出勤を命ずるという取扱はなされていなかったことが認められるところ、右取扱自体、これを不当、不合理とする理由はないというべく、本件においても、B課長は、前記のとおり剰員の有無、欠務予定者の年休取得の時期等を検討、確認のうえ、一審原告X2に対して本件時季変更権を行使したものであり、そうである以上、右時季変更権の行使は、適法、有効というべきである。なお、小包一区に右三日間、連日要員を配置したことも、その日が物数調査の日(五月一八日、一九日)もしくは日曜日を挾んでその前日(五月二〇日)であったことに照らせば、相当な措置であったと認めざるを得ない。」と改める。