全 情 報

ID番号 04928
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 たいよう共済事件
争点
事案概要  群馬県警退職の際、関連共済組合へ再就職後四年で退職するとの合意があったにもかかわらず、退職を拒否したため支店長職を解任したところ、これを不服として欠勤を続けた者に対する解雇が有効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 無届欠勤・長期欠勤・事情を明らかにしない欠勤
裁判年月日 1989年10月3日
裁判所名 前橋地
裁判形式 判決
事件番号 昭和60年 (ワ) 169 
裁判結果 棄却
出典 タイムズ733号80頁/労経速報1374号3頁/労働判例550号94頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-無届欠勤〕
 右認定の事実によれば、原告は、四年経過後には後任者に交代してもらうという県警の人事ローテーションを了承して再就職の斡旋を受け、被告に就職したものであるから、四年後には、任意退職することを、群馬県警と約束したものというべきである。
 〔中略〕
 四 次いで、被告が原告を解雇したことの当否について判断する。
 1 前認定のとおり原告は、降格に対し、異議を述べるとともに、その後の業務命令に従わずに出社を拒否し、約二ケ月にわたり無断欠勤を継続していたものであるが、降格が妥当なものであったことは、上述のとおりであり、してみると、降格後の被告の原告に対する再三にわたる業務命令もすべて正当であったものといいうる。
 そして、原告の右出社拒否は、正当な事由なき無断欠勤であるとともに、業務命令違反として、被告社員就業規則(〈証拠略〉)第三七条六号及び一一号に該当するものであり、同規則第三八条に定める制裁の対象となる行為であることは明らかである。
 2 右に述べたところに、前記本件の原告が被告に就職するに至った経緯、被告が原告を支店長から支店付に降格するに至った経緯を総合すれば、原告の右行為は被告就業規則所定の懲戒解雇の制裁をうけても致し方のないものであると考えられるから、被告が原告の利益を考慮して、通常解雇したことも正当な措置であったと言うべきである。