全 情 報

ID番号 05195
事件名 療養補償給付不支給処分等取消請求事件
いわゆる事件名 京都下労基署長事件
争点
事案概要  追突事故によるタクシー運転手のむちうち症につき、事故後一五年をもって症状が固定したものとしてその後の休業補償・療養補償を打ち切ることの可否が争われた事例。
参照法条 労働者災害補償保険法13条
労働者災害補償保険法14条
労働基準法75条
労働基準法76条
体系項目 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 休業補償(給付)
裁判年月日 1988年3月29日
裁判所名 京都地
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (行ウ) 25 
裁判結果 棄却(確定)
出典 タイムズ671号134頁/労働判例515号15頁/労経速報1341号17頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-休業補償(給付)〕
 以上を総合すると、原告の右に認定した本件不支給処分前後の症状と昭和五七年九月二四日時点の症状との間には、その間の療養にもかかわらず顕著な改善が認められず、原告が請求原因4で昭和五二年の症状として主張するところも、右7で認定した昭和五七年の主訴と大きい変化はないから、本件疾病が本件不支給処分後も次第に改善されたとの原告主張はこれを認め難く、原告本人尋問の結果中の右主張に沿う部分は措信し難く、他に本件不支給処分後の症状改善を認めるに足る証拠はない。そうすると、原告は本件疾病は昭和五七年九月二四日に治癒したと反論するのであるから、昭和五七年九月二四日時点においてはもちろんのこと、昭和五二年一一月一八日時点においても、後遺障害があるものの、より以上の根治的な医療効果は期待し難く、本件疾病は症状が固定したものと認定することができる。