全 情 報

ID番号 05296
事件名 未払給与等請求事件
いわゆる事件名 三ツ輪事件
争点
事案概要  退職金支給の算定基礎につき、給与台帳記載の給与を意味するとして、それによる退職金の支払いを命じた事例。
参照法条 労働基準法89条1項3の2号
体系項目 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算
裁判年月日 1989年9月25日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和60年 (ワ) 9084 
裁判結果 一部認容棄却
出典 労働判例549号28頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕
 三 退職金の請求について
 1 請求原因5(一)の事実(本件退職金規定の存在)は当事者間に争いがない。
 2 原告の退職当時の本給額について検討する。
 (証拠略)、被告Y本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、被告会社の賃金規則二条は、賃金とは本給、一般手当、役付手当を言うと定め、被告会社の給与台帳に原告の退職時の月額給与は本給八万五〇〇〇円、手当四万五〇〇〇円、役付手当八万円、残業手当一二万円と記載されているところ、右賃金規則と本件退職金規定は連動して解釈されるべきであり、本件退職金規定の本給は賃金規則二条の本給と同一であり、給与台帳記載の本給は右各本給を意味すること、被告会社は経営状態悪化のため、昭和五八年ころ以降退職した社員に対しては退職金を支給していないが、それ以前の退職者には退職金として、給与台帳記載の本給を本件退職金規定の本給として算出した金額を支給していることが認められる。したがって、原告の退職金算出の基礎となる退職当時の本給は給与台帳記載のとおり八万五〇〇〇円である。