全 情 報

ID番号 05649
事件名 労災補償決定取消請求事件
いわゆる事件名 山口労災保険審査会事件
争点
事案概要  採炭作業中の事故によって労働災害をこうむった労働者が後遺障害についての監督署長の障害等級の認定を不服として争った事例。
参照法条 労働基準法77条
労働基準法施行規則別表第2
体系項目 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 障害補償(給付)
裁判年月日 1952年12月18日
裁判所名 山口地
裁判形式 判決
事件番号 昭和26年 (行) 39 
裁判結果 棄却
出典 労働民例集3巻6号593頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-障害補償(給付)〕
 原告の右歩行障害は外傷性神経症によるもので歩行に際し下肢諸筋が届伸共に震顫し、歩行は困難ではあるが、原告の身体各部には右眼の業務上の災害のほか異常はなく、軽労働に服しうるものであるから、原告の右歩行障害がすべて右眼の業務上災害に基因するものとしても規則別表の第八級の三号に該当するにすぎないものである。
 原告は右歩行障害は規則第六条第四項により規則別表第一の第六級六号に該当すべきものであると主張するが、右規則第六条第四項は身体障害が規則別表第一に掲げる障害に該当しないときにその類似の障害を別表第一中に求めこれに準じて障害等級を定める旨の規定であつて、本件の如く規則別表第一に掲げられる障害に該当するものについてはその適用はなく、又規則別表第一の第六級の六号は一下肢の二関節の用を廃した身体障害に関するものであるところ、原告の歩行障害は前記認定の如く両下肢の障害であるから、これを一下肢の二関節の用廃に準じて取扱うべきものではないことは明らかである。よつて原告の右主張は採用の限りではない。
 以上のように原告の本訴請求は失当であり被告の本件処分は結局相当である。