全 情 報

ID番号 05787
事件名 療養補償不給付処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 倉敷労働基準監督署長(川崎製鉄)事件
争点
事案概要  作業中の災害により腰部を負傷したとしてなされた療養補償給付の支給請求につき、労働基準監督署長がなした不支給処分の取消が求められた事例。
参照法条 労働基準法施行規則35条
労働基準法施行規則別表1の2第1号
体系項目 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 災害性の疾病
裁判年月日 1991年8月29日
裁判所名 広島高岡山支
裁判形式 判決
事件番号 平成2年 (行コ) 2 
裁判結果 棄却
出典 労働判例597号32頁
審級関係 一審/岡山地/平 2. 2.27/昭和60年(行ウ)11号
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-災害性の疾病〕
 当裁判所も控訴人の請求は理由がないものと判断する。その理由は、次のとおり訂正、付加及び削除するほか、原判決理由説示のとおりであるから、これを引用する。〔中略〕
 (証拠・人証略)及び弁論の全趣旨によれば、本件災害が発生したという当時、訴外会社A製鉄所においては二〇〇〇万時間無災害記録達成のために懸命の努力をしていたが、Bらが控訴人に対して本件災害を申告しないように口止めなどしたことはなかったこと、控訴人は昭和五二年一月二〇日頃、ソフトボール中バットを空振りした際、右腰部捻挫をし、その後も腰部を損傷して、入・通院を繰り返し、その間、控訴人は、訴外会社において「要管理者」として軽作業に従事する等の就業制限を受け、本件災害が発生したという当時も、昭和五六年四月三〇日以降右就業制限を受けており、右当時、控訴人が班長に対し腰痛を理由に仕事上の不満を述べたことについて、控訴人はBらから厳しく注意されていたことが認められ、控訴人が平生から、腰痛がないのにあるなどとうそを言って、医師から虚偽の診断書を作成してもらって訴外会社より就業制限をうけていたとは到底認めることができない。これらの点を考えると、控訴人の右供述をもって本件災害の発生を肯定するには十分ではなく、他にこれを裏付けるに足りる証拠はない。