全 情 報

ID番号 05846
事件名 金員支払地位保全仮処分命令申立事件
いわゆる事件名 ブリヂストン建築用品西部事件
争点
事案概要  会社名義で個人取引をしたとして懲戒解雇された従業員が、その効力を争った事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為
懲戒・懲戒解雇 / 懲戒手続
裁判年月日 1992年2月27日
裁判所名 大阪地
裁判形式 決定
事件番号 平成3年 (ヨ) 670 
裁判結果 却下
出典 労経速報1459号9頁/労働判例617号81頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕
 前記認定のとおり、債権者は従来から債務者名義を無断で使用して個人取引を行ってトラブルを起こしていたため、平成二年二月に樋笠社長から、今後債務者名義の無断使用をしないよう厳命を下されていながら、平成二年八月ころから再びこれを繰り返したものである。しかもその取引先は、仮に債務者に承諾を求めても許されるはずのない、関連会社以外にまで拡大していた。また、債務者の信用を利用し、第三者の利益を図るという重大な背信行為も行っていた。そしてこれにより債務者に前示のとおりの損害を発生させたことが認められ、これが懲戒解雇事由を定めた債務者就業規程四八条八項、九項に該当することは明らかである。
 しかも、債権者は、今回の無断使用発覚後も、古くからの慣習として許されるとして反省せず、今後も改める意思が全くみられない。債務者の信用失墜は、債務者名義の無断使用により必然的に生じうるものであり、このような危険な行為を放置し、債権者が今後これを繰り返せば、債務者の信用低下も加速度的に拡大するのは明らかであり、取り返しのつかない事態を招く危険がある。
 以上、債権者には前記のとおり就業規程の懲戒解雇事由に該当する事実があり、解雇より軽い処分によって右の危険を回避できると期待することは不可能な状況であったから、本件解雇には相当な理由があるといえる。
〔懲戒・懲戒解雇-懲戒手続〕
 債権者は、債務者が債権者に釈明の機会を与えず一方的に債権者の机・名札をなくしてしまうなど、解雇手続に問題があると主張する。しかし、〔中略〕債務者が平成二年一一月六日に懲戒委員会を開き、債権者の言い分を聞く機会を設けていることが疎明されるから、解雇手続にも違法は認められない。