全 情 報

ID番号 06309
事件名 懲戒処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 兵庫県立三原高校事件
争点
事案概要  学校教育のあり方に対する生徒の抗議に端を発した学内紛争に関連して、従来の授業のやり方を反省・改革するとして約二カ月の間、自己の担当する授業(地理)を実施しなかった高校教諭に対する懲戒免職処分の効力が争われた事例。
参照法条 地方公務員法29条1項
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反
裁判年月日 1986年3月28日
裁判所名 大阪高
裁判形式 判決
事件番号 昭和57年 (行コ) 30 
裁判結果 棄却
出典 労働判例472号13頁
審級関係 一審/04158/神戸地/昭57. 4.30/昭和51年(行ウ)36号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕
 当裁判所も、原審と同様に、控訴人の本訴請求は失当であり棄却すべきものと判断する。その理由は、左記のほか、原判決の理由に記載するとおりであるから、これを引用する。〔中略〕
 控訴人は高等学校に準用される学校教育法二一条は憲法二三条二六条に違反すると主張する。しかし普通教育に属する高等学校教育においては、学生が教授内容を一応批判する能力を備えていることを前提とする大学教育の場合と異なり、生徒にこのような能力はないため教諭から強い影響力ないし支配力を受けることが予想され、学校ないし教師を選択する余地に乏しいため教育の機会均等の見地からしても全国的に一定の水準を確保すべき必要がある。これらの諸点を考慮すると、高等学校の教師に完全な教授の自由を認めることには合理性がないと考えられる。また生徒の教育は専ら生徒の利益のために教育を与える者の責務として行われるべきものであって、生徒が自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような智識・観念を一方的に植えつけることを内容とする教育を強制する国家的介入が許されないことはいうまでもないけれども、これらのことは、生徒の教育内容に対する国の正当な理由に基づく合理的な決定権能を否定するものではないと考えられる(最高裁判所昭和五一年五月二一日大法廷判決、刑集三〇巻五号六一五頁参照)。