全 情 報

ID番号 06330
事件名 懲戒免職処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 宮城県教委(仙台市立通町小学校)事件
争点
事案概要  職員室内で政治的ビラを配布したこと、成田闘争に参加して逮捕され、引き続き勾留され一五日間勤務を欠いたこと等を理由として懲戒免職処分を受けた小学校教員がその効力を争った事例。
参照法条 地方公務員法33条
地方公務員法29条1項
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 政治活動
裁判年月日 1992年8月27日
裁判所名 仙台高
裁判形式 判決
事件番号 平成3年 (行コ) 4 
裁判結果 棄却
出典 労働判例618号27頁
審級関係 一審/05949/仙台地/平 3. 3.27/平成1年(行ウ)8号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-政治活動〕
 当裁判所も、控訴人の本訴請求は失当であると判断するが、その理由として、次に付加、訂正するほかは原判決理由説示を引用する。〔中略〕
 控訴人は、このような過激派集団が暴力行為に及ぶことを知りながら、それを支援する意思をもって、中核と書かれた白ヘルメットをかぶる等の装いで後続集団の一員としてデモに参加したものというべきであり、そのまま機動隊との衝突が続いている三里塚交差点に進入し、凶器準備集合罪・公務執行妨害罪・火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反の容疑で現行犯逮捕されたのであって、このことが新聞等で報道されるや、控訴人が小学校教諭であることから児童や父兄に動揺を与え、地域社会に大きな反響を呼んだのである(訂正後の原判決理由二4後段)。
 このような控訴人の行為は、職務外のことであるとはいえ、そして、かりに控訴人主張のとおり自らは暴力行為を実行せず、実行者との共謀行為がなかったとしても、また、その動機のいかんを問わず、地方教育公務員としての職の信用を著しく傷つける行為であるというべきであって、地方公務員法三三条に違反し、同法二九条一項一号及び三号の懲戒事由にあたるといわなければならない。