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ID番号 06438
事件名 退職金請求事件
いわゆる事件名 合資会社興栄社事件
争点
事案概要  被上告人は、上告人会社の有限責任社員であるが、上告人代表者の指揮命令の下に労務を提供していたにとどまるものであり、有限責任者となった後の被上告人についても上告人の従業員を対象とする退職金規定が適用されるとされた事例。
参照法条 労働基準法9条
労働基準法89条1項3号の2
商法156条
体系項目 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算
賃金(民事) / 退職金 / 退職慰労金
裁判年月日 1995年2月9日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 平成6年 (オ) 2185 
裁判結果 棄却
出典 時報1523号149頁/タイムズ874号123頁/金融商事967号12頁/労働判例681号19頁
審級関係 控訴審/福岡高/平 6. 7.14/平成5年(ネ)871号
評釈論文 岸田雅雄・平成7年度重要判例解説〔ジュリスト臨時増刊1091〕81~82頁1996年6月/岩城謙二・法令ニュース31巻2号19~23頁1996年2月/橋本陽子・ジュリスト1090号163~165頁1996年6月1日/合田智子・判例タイムズ913号334~335頁1996年9月25日/早川徹・民商法雑誌115巻4・5号720~723頁1997年2月
判決理由 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕
〔賃金-退職金-退職慰労金〕
 原審が適法に確定したところによれば、被上告人は、合資会社である上告人の有限責任社員であるが、定款によって上告人の業務執行の権限が与えられていたことはうかがわれず、被上告人が「専務取締役」の名称の下に上告人の代表者である無限責任社員の職務を代行していたのは、上告人代表者の指揮命令の下に労務を提供していたにとどまるものであり、被上告人が支払を受けていた「給料」はその対償として支払われたものであるということができる。したがって、有限責任社員となった後の被上告人についても上告人の従業員を対象とする本件退職金規定が適用されるとした原審の判断は、正当として是認することができる。