全 情 報

ID番号 06847
事件名 遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
いわゆる事件名 福岡中央労働基準監督署長(西海冷凍)事件
争点
事案概要  伝票整理を業務とする労働者の心臓性突然死につき、前夜の飲酒等が影響を与えた可能性が高いとして、業務との因果関係を否定した事例。
参照法条 労働者災害補償保険法7条1項
体系項目 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 業務起因性
裁判年月日 1996年9月4日
裁判所名 福岡地
裁判形式 判決
事件番号 平成6年 (行ウ) 2 
裁判結果 棄却(確定)
出典 労働判例705号88頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-業務起因性〕
 4 前記検討したところによれば、Aの業務は本来危険が内在しない伝票処理の仕事であり、発症前の一八日間は残業や早朝からの勤務が恒常化していたことはうかがえるが、急性心機能不全を発症させる程度にまで業務が過重であったとは認められない。これに対して、死亡直前の飲酒及び就寝状況は、Aの恒常性維持機能を低下させ、急性心機能不全を発症させたことを強く疑わせるものであり、飲酒、入眠行為が発症に最も近接していることに照らして、Aの発症及び死亡に影響を与えた可能性が高いと認められる。 結局、Aの発症及び死亡は、業務に内在する危険が現実化したものと判断することはできず、業務と発症との間に因果関係を認めることはできない。