| ID番号 | : | 06990 |
| 事件名 | : | 損害賠償請求控訴事件 |
| いわゆる事件名 | : | 十字屋広告社事件 |
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 広告取次会社の被用者が、退職の一週間前に右会社と競合する会社を設立して退職したが、在職中に、顧客に対し今後は右会社ではなく自分が取引をしたい旨述べて広告掲載予定を取り消す連絡などをさせたことにつき、会社の顧客を奪う結果となる背信行為をして右会社の営業上の利益を不当に侵害したとして広告取次会社から損害賠償を請求された事例(請求認容)。 |
| 参照法条 | : | 民法623条 商法41条1項 不正競争防止法4条 |
| 体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 競業避止義務 |
| 裁判年月日 | : | 1996年12月26日 |
| 裁判所名 | : | 東京高 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 平成8年 (ネ) 4178 |
| 裁判結果 | : | 棄却(確定) |
| 出典 | : | 金融商事1021号34頁 |
| 審級関係 | : | |
| 評釈論文 | : | |
| 判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-競業避止義務〕 控訴人が被控訴人を退職した時期に接近して、同年九月末日、被控訴人において控訴人の部下であった営業課長のAも、家の仕事を手伝うとして被控訴人を退職し、その後前示有限会社Bの取締役に就任して控訴人とともに仕事をしており、また同じく被控訴人の制作室係長であったCも、田舎に帰って仕事をするとして、同年九月一五日ころ被控訴人を退職し、その後結局控訴人とともに有限会社Bで働いている事実が認められることを併せ考えれば、控訴人は、控訴人の部下らと共に、被控訴人からの独立をしようとし、独立後の自己の利益を確保するため、未だ被控訴人の従業員であった時に、前示のとおり被控訴人の顧客を奪う結果となる背信行為を行ったものであり、これは控訴人が、使用者である被控訴人の営業上の利益を不当に侵害してはならないとの雇用契約上付随的に負担していた義務に違反して、被控訴人に損害を与えたものというべきである。 |