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ID番号 07346
事件名 不当労働行為救済命令取消請求上告事件
いわゆる事件名 国労高崎地本事件
争点
事案概要  JR東日本が、分割・民営化による余剰人員対策として社員を出向させた先の企業の工場前で、出向反対の街頭宣伝活動を行った国労組合員四名が、五日間の出勤停止処分とされたことが不当労働行為に当たるとした地労委の救済命令の取消訴訟で、地労委の救済命令を適法とした第一審判決を違法として取り消した原審判決を不服として行われた上告審で、上記の組合活動は、出向施策の円滑な実施等業務運営を不当に妨げる恐れがあり、正当な組合活動の範囲に入らず、原審判断に違法はないとして上告が棄却された事例。
参照法条 労働組合法7条1号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動
裁判年月日 1999年6月11日
裁判所名 最高二小
裁判形式 判決
事件番号 平成5年 (行ツ) 100 
裁判結果 棄却(確定)
出典 労働判例762号16頁
審級関係 控訴審/東京高/平 5. 2.10/平成3年(行コ)51号
評釈論文 辻村昌昭・労働法律旬報1527号50~53頁2002年5月10日
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕
 上告補助参加人らによる本件行動は、被上告人の高崎運行部から相当数の従業員が初めて出向した時点において、出向先のA(ママ)株式会社(以下「A」という。)に少なからぬ不安動揺を与えて、Aの側から同様の行動が反復される場合には出向受け入れを再考したい旨の意向が被上告人に示されるなど、被上告人の当時の緊要な課題であった出向施策の円滑な実施等の業務運営を不当に妨げるおそれがあったものであって、その余の事情を考慮しても、労働組合の正当な活動の範囲内とはいえず、被上告人の就業規則所定の懲戒事由に当たるとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認するに足り、その過程に所論の違法があるとはいえない。そうとすれば、原審の適法に確定した事実関係の下において、本件懲戒処分が不当労働行為に当たるとすることはできないとした原審の判断は、是認することができ、原判決に所論の違法はない。