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ID番号 07569
事件名 損害賠償請求上告事件
いわゆる事件名 日本コンベンションサービス(損害賠償)事件
争点
事案概要  国際会議等の企画、運営等を主たる業務とする会社Xが、Xを退社し同種の事業を営む新会社Aの設立に参加した関西支社次長Y1をはじめとする七名の従業員を懲戒解雇し、就業規則に新規定を設けて退職金を支払わなかったことから、右七名がXに対して、退職金、慰謝料を請求し(甲事件)、Xが、Y1及び新設立中心人物でありXの関西支社長であったY2、及び新会社Aに対し、新会社設立及びその営業行為等について不法行為責任に基づく損害賠償を請求した(乙事件)ケースの乙事件に関する上告審で、一審ではXの請求は棄却されたが、新会社の設立を目的として、Xの従業員の移転の勧誘、引抜きを含む設立準備行為等は、Y2については、競業避止義務の趣旨に反し、取締役の忠実義務(商法二五四条の三)、善管義務(民法四四条)に著しく違反し、Y1についても、雇用契約上の誠実義務に著しく違反するとして不法行為責任を肯定したが、Aの設立、存続自体が違法であることはいえず、またY1及びBの行為の時点でいまだ設立していなかったAについては不法行為責任を否定したうえで、Yらの行為によりXの社会的、経済的信用が減少したとして認められる無形損害についてのみYらは連帯して損害賠償額を支払べきであるとしてXの控訴を認容した原審の判断(一審取消し)が相当であるとして、Yらの上告が棄却された事例。
参照法条 民法709条
労働基準法2章
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 競業避止義務
裁判年月日 2000年6月16日
裁判所名 最高二小
裁判形式 判決
事件番号 平成10年 (オ) 1680 
裁判結果 棄却(確定)
出典 労働判例784号16頁
審級関係 控訴審/07136/大阪高/平10. 5.29/平成8年(ネ)3747号
評釈論文
判決理由 〔労働契約-労働契約上の権利義務-競業避止義務〕
 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係の下においては、上告人らに対する被上告人の損害賠償請求につき四〇〇万円及びその遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとした原審の判断は、是認することができる。原判決に所論の違法はない。