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ID番号 07615
事件名 損害賠償請求上告事件、附帯上告事件、上告受理申立事件、附帯上告受理申立事件
いわゆる事件名 システムコンサルタント事件
争点
事案概要  コンピューターソフト開発会社Yに入社し、裁量労働制のもとでシステムエンジニアとして開発業務に従事していた労働者A(当時三三歳)の遺族Xが、Aは入社以来、Yからは定期健康診断の結果が知らされ、精密検査を受けるように述べられていたものの、恒常的に過大な労働をし、内容が困難であるプロジェクトのリーダーに就任してから死亡するまでの一年間は要員不足から時間的に過大な労働を強いられたうえ、プロジェクトの実質的な責任を有する会社等からのスケジュール遵守の要求と協力会社のSEから負担軽減の要求及び苦情の板挟みになり、疲労困憊していた中、休日出勤をして一日中コンピューターのトラブル解決に従事した翌日の午後、自宅で倒れ、搬送後の病院で脳幹部出血により死亡したことから、Yに対し、Aの死亡は長時間の過重労働が原因の死亡であり、会社は安全配慮義務を怠ったとして、損害賠償を請求したケースの上告審で、一審と同様、Aの死亡前の業務が著しく過重であり、Aの業務と脳出血発症との間には相当因果関係があると認めたうえで、Aが入社直後から高血圧に罹患し、その後相当程度増悪していたことを定期健康診断により認識していたYには安全配慮義務違反が認められ、これにより発生した損害について民法四一五条に基づき損害賠償責任を免れないとしたが、賠償額については、Aが精密検査を受けるよう指示されていたにもかかわらず受診しなかった等、自らの健康保持について何ら配慮していないこと、また境界域高血圧という基礎的要因も血圧上昇に何らかの影響を与えたことから、五〇パーセントの過失相殺を行った(なお、逸失利益の算定基礎は一審と異なる)原審を相当として、最高裁がYによる上告受理申立てに対し不受理の決定をし、Yの上告を棄却、Xの附帯上告を却下した事例。
参照法条 民法415条
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任
裁判年月日 2000年10月13日
裁判所名 最高二小
裁判形式 決定
事件番号 平成11年 (受) 1295 
平成11年 (受) 1296 
平成11年 (オ) 1553 
平成11年 (オ) 1554 
裁判結果 不受理(1295、1296号)、棄却、附帯上告却下
出典 労働判例791号6頁/第一法規A
審級関係 控訴審/07369/東京高/平11. 7.28/平成10年(ネ)1785号
評釈論文
判決理由 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕
 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法三一二条一項又は二項所定の場合に限られるところ、本件上告の理由は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに右各項に規定する事由に該当しない。