全 情 報

ID番号 07715
事件名 地位保全等仮処分保全異議申立事件
いわゆる事件名 全国社会保険協会連合会・仮処分保全異議申立事件
争点
事案概要  病院等を経営する社団法人全国社会保険協会連合会Yにパートタイム看護婦(実働六時間)として雇用期間を一年と定めて雇用されたXが、期間満了による契約終了に異議を唱えたため、加入していた組合とYの経営する病院との交渉後、改めて雇用期間六ヶ月とする労働契約を二回更新したが、期間満了1ヶ月前頃に契約更新しない旨の予告がなされ雇止めされたところ、Yの病院では多数のパートタイム看護婦は雇用期間六ヶ月又は二カ月とされていたものの期間満了により雇止めされたものがいなかったこと等から、労働契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めること及び賃金の仮払いを求めたケースの異議申立審で、第一次仮処分決定と同様に、Xが期間満了後の雇用継続を期待することに合理性があり、雇止めには合理的な理由が必要であるが、本件雇止めは合理的な理由があるとは言い難く、信義則上許されないというべきであるとして、Yの異議申立が却下され、Xの申立が認容された事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め)
裁判年月日 2001年2月13日
裁判所名 京都地
裁判形式 決定
事件番号 平成12年 (モ) 1743 
裁判結果 認容(保全抗告)
出典 労経速報1788号12頁
審級関係 控訴審/07813/大阪高/平13.10.15/平成13年(ラ)288号
評釈論文
判決理由 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕
 「解雇に関する法理が類推適用され、単に労働契約の期間が満了したというだけでは雇止めは許されず、客観的に合理的な理由が必要であり、これを欠く雇止めは社会通念上相当として是認することができないといわなければならない。ところが、本件雇止めは、客観的にみて合理的な理由があるとはいい難いので、社会通念上相当として是認することができず、信義則上許されないものというべきである。」〔中略〕
 「以上のとおりであるから、本件雇止めが信義則上許されない結果として、期間満了後における債権者と債務者との間の法律関係は、従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解すべきである。」