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ID番号 09113
事件名 損害賠償等請求事件
いわゆる事件名 ヤマダ電機事件
争点 自殺した電気量販店社員に対する会社の安全配慮義務違反が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 (1) Y(被告)の従業員として勤務していた亡Cが自殺をしたことについて、同人の相続人であるX(原告)らが、亡Cの自殺は被告における長時間にわたる時間外労働や過度な業務の負担によりうつ病に罹患したためのものであると主張して、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく損害賠償及びこれらに対する遅延損害金の支払を求める事案である。
(2) 前橋地裁高崎支部は、Yの安全配慮義務違反を否定し、Xらの請求を棄却した。
参照法条 民法415条
民法623条
労働契約法5条
体系項目 労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(16)安全配慮(保護)義務・使用者の責任
裁判年月日 2016年5月19日
裁判所名 前橋地裁高崎支部
裁判形式 判決
事件番号 平成25年(ワ)424号
裁判結果 棄却
出典 労働判例1141号5頁
労働経済判例速報2285号3頁
審級関係 控訴後和解
評釈論文
判決理由 〔労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(16)安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕
 亡Cの時間外労働時間は、死亡直近の1か月でおおよそ94時間30分、死亡直近の1週間でおおよそ39時間55分であったと認められる。
 亡Cの業務上の負荷については、フロア長への昇格や短期間での労働時間の増加により、一定程度の心理的負荷が生じていたということは否定できないが、他方、開店準備作業に大幅な遅れが生じていたとは認めらないこと、作業期間中の亡Cの具体的業務について、特段の負荷が生じる内容であるとは認められず、本件過誤についても強い心理的負担を生じるものとはいえないこと、Yの支援・協力体制に不備があったとはいえない上、店舗内の人間関係についても特段問題はなかったことなどからすれば、亡Cについて、精神障害を発症させるほどの強い業務上の負荷が生じていたとはいえないというべきである。
 亡Cが9月15日の時点で重症うつ病エピソードを発症していたとのXらの上記主張は、理由がない。
 本件においては、そもそも、亡Cの業務が精神障害を発症させるほどに強い負荷を生じさせるものであったとは認められない上、本件自殺の当時、亡Cがうつ病を発症していたことを認めるに足る証拠はないから、本訴における亡Cの本件自殺が同人の業務に起因するとのXらの主張は、いずれにしてもその前提を欠くものであり、理由がない。