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ID番号 09118
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 Agape事件
争点 保育士に対する適格性欠如を理由とする解雇の有効性が問われた事案(労働者勝訴)
事案概要 (1) 保育園を経営するY(被告)との間で労働契約を締結していたX1およびX2が、Yに解雇されたことにつき、解雇無効を主張して地位確認等を求め提訴したもの。
(2) 東京地裁は、本件解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でないとし、解雇を無効としてXらの請求を認容した。
参照法条 労働契約法16条
体系項目 解雇(民事)/解雇事由/(45) 従業員としての適性・適格性
解雇(民事)/解雇権の濫用
裁判年月日 2016年7月1日
裁判所名 東京地裁
裁判形式 判決
事件番号 平成25年(ワ)30457号/平成25年(ワ)30459号
裁判結果 認容
出典 労働判例1149号35頁
審級関係 控訴後和解
評釈論文
判決理由 〔解雇(民事)/解雇事由/(45) 従業員としての適性・適格性〕
〔解雇(民事)/解雇権の濫用〕
 X1に対する解雇は、そもそもその基礎となる事実のうち相当重要な部分が欠けており、X1の保育士補助ないし従業員としての適格性の有無を判断するに当たってX1の責任を問い得る事実は、Yの主張する事実のうち、前記(4)ウの事実(職場を勝手に離れ、給料の支払についてAに抗議をしに行ったこと)、同オの事実(無断で早退をしたこと)、同キの事実(個人指導を拒否したこと)だけである。(略)X1に対する解雇は、その基礎となる事実のうち相当重要な部分が欠けていることに加え、その余の事実も改善の見込みのないX1の顕著な特性に基づくものとは認められないから、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められない。
 X2の保育士ないし従業員としての適格性の有無を判断するに当たってX2の責任を問い得る事実は、Yの主張する事実のうち、前記(2)ウの事実(平成25年3月8日の父母会及びその後の個別の話合いにおいて、Iに対し、感情的な発言をしたこと)及び前記(4)オの事実(個人指導を拒否したこと)だけである。(略)X2に対する解雇は、その基礎となる事実の相当重要な部分が欠けていることに加え、その余の事実も改善の見込みのないX2の顕著な特性に基づくものとは認められないから、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められない。