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ID番号 09120
事件名 遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
いわゆる事件名 国・行橋労基署長(テイクロ九州)事件
争点 歓送迎会後の交通事故の業務起因性が争われた事案(労働者勝訴)
事案概要 (1) Aに出向して勤務していたBが交通事故により死亡したのは、業務上の死亡であるとして、Bの妻であるX(原告、控訴人、上告人)が、行橋労働基準監督署長(以下「処分庁」という。)に対し、労災保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の請求をしたが、これらを支給しないという決定を受けたため、XがY(国、被告、被控訴人、被上告人)に対して本件処分の取消しを求めた事案である。
(2) 東京地裁、東京高裁は、Xの運転行為に業務遂行性を認めることはできないとしてXの請求をいずれも棄却したため、Xが上告したところ、最高裁は、業務遂行性を認め、Xの請求を認容した。
参照法条 労働者災害補償保険法1条
労働者災害補償保険法16条
労働者災害補償保険法17条
体系項目 労災補償・労災保険/業務上・外認定/(3) 業務中、業務の概念
労災補償・労災保険/業務上・外認定/(6) 会社行事 (宴会、運動会、棟上げ式等)
裁判年月日 2016年7月8日
裁判所名 最高裁第二小法廷
裁判形式 判決
事件番号 平成26年(行ヒ)494号
裁判結果 破棄自判
出典 訟務月報63巻4号1168頁
裁判所時報1655号8頁
判例時報2321号127頁
判例タイムズ1432号58頁
労働判例1145号6頁
労働経済判例速報2290号3頁
審級関係 一審 東京地裁/平成26年4月14日/平成25年(行ワ)第384号
控訴審 東京高裁/平成26年9月10日/平成26年(行コ)163号
確定
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険/業務上・外認定/(3) 業務中、業務の概念〕
〔労災補償・労災保険/業務上・外認定/(6) 会社行事 (宴会、運動会、棟上げ式等)〕
 Bは、本件会社により、その事業活動に密接に関連するものである本件歓送迎会に参加しないわけにはいかない状況に置かれ、本件工場における自己の業務を一時中断してこれに途中参加することになり、本件歓送迎会の終了後に当該業務を再開するため本件車両を運転して本件工場に戻るに当たり、併せてE部長に代わり本件研修生らを本件アパートまで送っていた際に本件事故に遭ったものということができるから、本件歓送迎会が事業場外で開催され、アルコール飲料も供されたものであり、本件研修生らを本件アパートまで送ることがE部長らの明示的な指示を受けてされたものとはうかがわれないこと等を考慮しても、Bは、本件事故の際、なお本件会社の支配下にあったというべきである。また、本件事故によるBの死亡と上記の運転行為との間に相当因果関係の存在を肯定することができることも明らかである。
 以上によれば、本件事故によるBの死亡は、労働者災害補償保険法一条、一二条の八第二項、労働基準法七九条、八〇条所定の業務上の事由による災害に当たるというべきである。