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ID番号 09147
事件名 賃金等請求事件(62号)、損害賠償請求事件(500号)
いわゆる事件名 トヨタ自動車ほか事件
争点 定年前と全く異なる職種における定年後再雇用提示の違法性が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 (1) Y(被告)で正社員として雇用されていたX(原告)が、シュレッダー機ごみ袋交換及び清掃(シュレッダー作業は除く)、再生紙管理、業務用車掃除、清掃(フロアー内窓際棚、ロッカー等)、その他Yや上司の指示する業務という従前とは全く異なる内容の再雇用条件を提示されたため、これを拒否したところ定年後再雇用されなかったことにつき、その違法性を主張して、地位確認及び未払賃金の支払いを、またYから組織的ないじめを受けたと主張して、損害賠償の支払いを求めた事案である。
(2) 名古屋地裁は、Yの再雇用制度及びXを再雇用しなかったことに違法性はないとして、Xの請求をいずれも棄却した。
参照法条 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条
体系項目 労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(23)使用者に対する労災以外の損害賠償
裁判年月日 2016年1月7日
裁判所名 名古屋地裁
裁判形式 判決
事件番号 平成27年(ワ)62号/平成27年(ワ)500号
裁判結果 棄却
出典 判例時報2342号100頁
労働判例1146号22頁
労働経済判例速報2300号3頁
審級関係 控訴
評釈論文
判決理由 〔労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(23)使用者に対する労災以外の損害賠償〕
 本件再雇用制度においては、再雇用希望者のうち本件選定基準を満たす者について再雇用をすることとされているところ、本件選定基準を満たしているにもかかわらずYが再雇用を承諾しなかった場合はともかくとして、本件においては、そもそもXが本件選定基準を満たしていないものであるから、YがXに対して再雇用を承諾しなかったことが違法であるとか、権利の濫用であるとかいうことはできない。
 YがXに対して本件パート再雇用制度による再雇用を提示したものの、Xがこれを拒否し、同制度による再雇用を希望しなかったことが認められるから、Yが本件パート再雇用制度によりXを再雇用しなかったことについても違法とはいえない。