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ID番号 09166
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 公立大学法人岡山県立大学ほか事件
争点 内部告発・告発内容の外部への情報提供を理由とする停職処分の違法性が問われた事案(労働者勝訴)
事案概要 Y(被告)大学の教授であるX(原告)が、Y大学から停職3か月の懲戒処分(本件停職処分)を受けたことから、Y大学に対し、本件停職処分の理由となった懲戒事由は存在せず、処分は違法であるとしてその無効の確認を求める(請求1)とともに、Y大学に対して、本件停職処分が無効であることを前提として、停職期間中の給与等の支払を(請求2)、本件停職処分が違法であることを理由として、不法行為に基づき損害賠償330万円の支払いを(請求3)、理事長Y2(被告)らに対して、Y2らが共謀して行ったXに対する授業の禁止等を内容とする命令(授業等禁止命令)が違法であることを理由として、連帯して損害賠償金330万円の支払を(請求4)、それぞれ求めた事案である。
参照法条 労働契約法15条
体系項目 懲戒・懲戒解雇/懲戒事由/(25) 内部告発
懲戒・懲戒解雇/懲戒権の濫用
裁判年月日 2017年3月29日
裁判所名 岡山地裁
裁判形式 判決
事件番号 平成25年(ワ)1051号
裁判結果 一部認容、一部棄却
出典 労働判例1164号54頁
審級関係 控訴
評釈論文 香川孝三(東京大学労働法研究会)・ジュリスト1522号136~139頁
判決理由 :〔懲戒・懲戒解雇/懲戒事由/(25) 内部告発〕
〔懲戒・懲戒解雇/懲戒権の濫用〕
 Xの行った内部告発および告発内容をNHKに情報提供した行為を懲戒処分自由とされているが、センター試験の得点によって実技試験の得点を操作するような不適正な取り扱いがなされていた事実(本件告発内容)を直ちに認定するまでには至らないとしても、少なくともXが目撃した事実は、Xの認識においてそのような得点操作が行われた事実を疑わしめるに足りるものであったことは認められ、センター試験の得点不良者を合格させないため、実技試験の得点を低く変更する操作が行われたと信じるにつき正当な理由があったものと認定することができ、本件情報提供は違法性を有しないものといえるから、仮に本件情報提供を行ったのがXであったとしても、この行為が正当な懲戒事由とは認められない。
 懲戒事由たる授業等禁止命令違反につき、同命令は、本件情報提供が懲戒事由に該当する不当な行為であることを当然の前提として発せられているものと認められ、上記のとおり、本件情報提供は正当な行為と認められるから、この行為も懲戒事由として認められないことは明らかである。
 懲戒事由としてはXが入試の実技試験の採点において、採点責任者による作品の並べ替えの終了宣言後に作品の移動を行ったことも懲戒事由とされているが、仮にこれが認められるとしても、、本件停職処分はその前提である処分事由の重要な部分を欠くものであり、もはや相当性を肯定することができないものといわざるを得ないため、その行為の有無を検討するまでもなく、本件停職処分は違法であり、無効であると認められる。