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ID番号 09204
事件名 地位確認請求事件
いわゆる事件名 日本マイクロソフト事件
争点 勤務態度不良を理由とする社員の解雇の有効性が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 Y(被告)で正社員として雇用されていたX(原告)が、解雇が労基法19条に違反し無効であることを主張し地位確認を求めた事案である。
参照法条 労働基準法19条
労働契約法16条
体系項目 解雇(民事)/解雇制限 (労基法19条)/(5) 休業の意義
解雇(民事)/解雇事由/(2) 勤務成績不良・勤務態度
裁判年月日 2017年12月15日
裁判所名 東京地裁
裁判形式 判決
事件番号 平成27年(ワ)36541号
裁判結果 棄却
出典 労働判例1182号54頁
審級関係 控訴
評釈論文
判決理由 〔解雇(民事)/解雇制限 (労基法19条)/(5) 休業の意義〕
〔解雇(民事)/解雇事由/(2) 勤務成績不良・勤務態度〕
 本件事故があったとされる平成25年2月9日からYが本件解雇を通知し以後の就労免除した同年5月29日までの間において、Xは所定休日あるいは、所定労働日に所定労働時間7.5時間以上の勤務実績がある日であり、休業の事実が認められないため、労働基準法19条1項の解雇制限の適用はない。Xは、形式的に休業していなかったとしても、身体的状態として本来欠勤して療養すべき健康状態にあった以上、労働基準法19条第1項の解雇規制が直接適用ないし類推適用されるべきであると主張するが、労働基準法19条1項はあくまで業務上の傷病の「療養のために休業する期間」の解雇の意思表示を禁止している規定であることは文理上明らかである。
 Yは2回にわたって「勤務改善指導書」を交付する等、再三にわたってXに対する注意指導を行ったが、XはYが指摘した事項に該当する事態については思い当たらないとしており、Yがいくつか具体的なエピソードを指摘して業務遂行上・勤務態度につき重大な指摘を受けているにもかかわらず、Xからは反省の言がなく、Xにおいて上司等の教育指導に真摯に向き合っていないと言わざるを得ず、Xの勤務態度が著しく不良であるといえるだけでなく、継続的な教育・指導をしたにもかかわらず改善しない状態にあると評価することができ、本件解雇は有効である。