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ID番号 09211
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 名港陸運事件
争点 胃がんにり患した労働者の休職期間満了後の復職の可否が問われた事案(労働者勝訴)
事案概要 一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社であるY(被告)の従業員であったX(原告)が、業務外の傷病を理由にYから休職命令を受けていたところ、休職期間の満了に当たり、傷病から治癒し休職事由が消滅したことを理由に復職の申出をしたにもかかわらず、YがXの復職を認めずXを休職期間満了により退職扱いとしたことは違法無効であると主張して、Yに対し、〈1〉労働契約上の権利を有する地位にあることの確認(請求第1項)、〈2〉休職期間満了日の翌日からの未払賃金の支払(請求第2項)、〈3〉不法行為に基づく慰謝料の支払(請求第3項)を求めた事案である。
参照法条 民法709条
民法710条
労働契約法
体系項目 休職/休職の終了・満了
裁判年月日 2018年1月31日
裁判所名 名古屋地裁
裁判形式 判決
事件番号 平成27年(ワ)5690号
裁判結果 一部認容、一部棄却
出典 労働判例1182号38頁
審級関係 控訴
評釈論文
判決理由 〔休職/休職の終了・満了〕
 Xの健康状態については、本件診断書の内容のみならず、休職事由となった私傷病の内容や症状・治療の経過、Xの業務内容やその負担の程度、Xの担当医や被告の産業医の意見等を総合的に斟酌し客観的に判断すれば、Xが復職希望日とした平成27年9月23日の時点ではともかく、遅くとも休職期間の満了日である同年10月20日の時点では、日常生活に支障がないというにとどまらず職務遂行の可能性という観点からも、1日8時間の所定労働時間内に限ってではあるが、私傷病から「治癒」すなわち「従来の業務を健康時と同様に通常業務遂行できる程度に回復」しており、本件休職命令における休職事由は消滅していたものと認めるのが相当である。