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ID番号 09220
事件名 損害賠償請求事件
いわゆる事件名 サニックス事件
争点 研修カリキュラムの歩行訓練の負傷についての安全配慮義務違反が問われた事案(労働者勝訴)
事案概要 48歳であった平成25年8月16日頃被告Yと雇用契約を結んだ原告Xが、新人研修カリキュラムの1つである24キロメートルの歩行訓練を受けた際に、右足及び左足を負傷したとして、主位的には、Yの安全配慮義務違反が過失を構成するとして、不法行為に基づき、損害賠償および遅延損害金の支払いを、予備的にはYの安全配慮義務違反が債務不履行を構成するとして損害賠償を求めた事案である。
参照法条 民法709条
労働契約法5条
体系項目 労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(23)使用者に対する労災以外の損害賠償
裁判年月日 2018年2月22日
裁判所名 広島地方裁判所福山支部
裁判形式 判決
事件番号 平成28年(ワ)18号
裁判結果 主位的請求棄却、予備的請求一部認容、一部棄却
出典 労働判例1183号29頁
審級関係 控訴
評釈論文
判決理由 〔労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(16)安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕
 Yが研修で課す「スピリッツは、参加者全員が完歩することを目的としており、参加者の年齢が幅広く、体力にも大きな差があるにもかかわらず、個人差や運動経験の有無等に全く配慮していない点で、無理があるプログラムである」。「そして、Xが歩行訓練中に転倒して右足関節を痛め、歩行訓練の中断や病院受診を求めても、これを拒絶して歩行訓練を継続し、スピリッツに参加させたことが、Xの現在の症状の原因となっていること等に照らすと、Yには、債務不履行の原因となる安全配慮義務違反が存在したと認められる」。