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ID番号 09253
事件名 未払賃金等請求事件
いわゆる事件名 学校法人文際学園(外国人非常勤講師ら)事件
争点 年次有給休暇権行使の是非などが問われた事案(労働者勝訴)
事案概要 学校法人の被告Yとの間で労働契約を締結していた外国人非常勤講師である原告らのうち、原告X1及び原告X2がYに対し、年次有給休暇取得要件を満たすにもかかわらず年次有給休暇取得日の給与を支払わなかったとして、雇用契約に基づく賃金支払請求権に基づき、X1につき1万2300円、X2につき1万1700円及び遅延損害金の支払を求めるとともに、Xらが被告に対し、日本語の就業規則について筆写することしか認めないというパワーハラスメントを行ったことが不法行為であると主張して、不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき、慰謝料各50万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。
参照法条 労働基準法39条
体系項目 年休(民事)/年休の成立要件/(2) 継続勤務
労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(23)使用者に対する労災以外の損害賠償
裁判年月日 2018年11月2日
裁判所名 東京地裁
裁判形式 判決
事件番号 平成29年(ワ)15449号
裁判結果 一部認容、一部棄却
出典 労働判例1201号55頁
労働法律旬報1929号52頁
審級関係 控訴
評釈論文 奥貫妃文・労働法律旬報1929号27~33頁
判決理由 〔年休(民事)/年休の成立要件/(2) 継続勤務〕
 「X1及びX2とYとの間の講師契約に関する諸般の事情を年次有給休暇の趣旨に照らして考慮すると…X1及びX2が年次有給休暇の申請をYに対して行って時点で、両者とも継続勤務の要件を満たしていたものといえる」。「X1及びX2は、継続勤務以外の年次有給休暇取得のためのその他の要件(労働基準法39条参照)を充足」し、「X1及びX2は、平成28年6月17日、Yに対して同年7月5日に年次有給休暇を取得する旨の連絡をしているところ、Yはこれを認めず、同日分の賃金(X1につき1万2300円、X2につき1万1700円)を支払っていない。したがって、被告はこれらの支払義務を負う。」
〔労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/(23)使用者に対する労災以外の損害賠償〕
 「YがXらに対して、就業規則の筆写を強制したり指示したりした事実が認められないことからすれば、前提事実等記載の厚生労働省の指針に照らしても、Yにおける運用やXらに対する対応がパワーハラスメントに該当するものとも、何らかの違法性を有するものとも到底認められない」。